紅烏の独り言

えいえんのにわか丸出しボーイ

ゼノブレイド2の複雑なブレイドバトルについてまとめ

※中盤パーティメンバーの微ネタバレ注意


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ブレイドの必殺技


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画面右下のアーツパレットの右のマスに必殺技アイコンがあり、Aボタンで発動できる。通常のドライバーアーツを使ったり、オートアタックキャンセルをすることでリキャストされ、ギリシャ数字が表示されれば必殺技の準備が完了する。


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必殺技には4段階あり、Ⅰ~Ⅲまではアーツを当てればリキャストされる。Ⅳは「必殺技がⅢまでリキャストされている」「キズナがマックスになっている(金色の線でドライバーとブレイドが繋がっている)」状態で、ブレイドの近くで行動していればリキャストされる(アーツを使っている間はリキャストが止まる)。

 

ブレイドコンボ

特定の属性で必殺技を連続で放つコンボ。ダメージが上昇したり、強力な追加効果が期待できる。

 

☆1段階目

必殺技を当てれば、ブレイドコンボの1段目となる。自分で撃ってもいいし、コンボ申請というシステムもある。

仲間は必殺技がリキャストされたとき、コンボ申請を行ってくる。


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ZL、ZRを押すことで、任意の属性の必殺技を撃ってもらえる。

今回の例では自分でホムラの必殺技Ⅰを放つ。

 

☆2段階目

ブレイドコンボの1段階目をクリアすると、画面右上にこんな表が出てくる。


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さっきホムラの炎属性の必殺技を当てたので、ブレイドコンボは1段階目の「ヒート」の状態。この表はブレイドコンボの分岐ルートを表していて、右側に行くほどブレイドコンボのレベルが高くなる。

モンスター名の右上に表示されているのが、ブレイドコンボのゲージ。ブレイドコンボの2段階目をクリアするには、このゲージが無くなる前に、分岐ルートに表示された属性(画像の場合では炎か水)の必殺技Ⅱ以上を当てる必要がある。

 

ちなみに、仲間の必殺技がどのくらいリキャストされているかは、コンボ申請の表示の周りを回っている光の数で判断できる。


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この場合、3つの光が回っているので、メレフの必殺技はⅢまでリキャストされている。

 

また、当然だが必殺技のレベルが足りないと、コンボ申請が表示されていてボタンを押しても仲間は必殺技を撃たない。ZLもしくはZRのボタンが出てないコンボ申請は、「今バトルに出しているブレイドの属性でブレイドコンボは繋げられるが、必殺技がリキャストされていない」状態である。

 

 

今回の例では、ニアがコンボ申請していた水属性の必殺技を放つ。これでブレイドコンボは2段階目の「スチームボム」になる。

 

☆3段階目(最終段階)

2段階目を当てると、コンボの分岐ルートの表が分岐変化する。


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ニアに水属性の必殺技を撃ってもらったので、ブレイドコンボのルートは水属性に分岐した。これで3段階目は炎属性か氷属性の必殺技Ⅲ以上が必要であるということはもうお分かりだろうか。


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先程のメレフのコンボ要請があり、必殺技もⅢまでリキャストされていたので、ZLを押してブレイドコンボの最終段階をクリア。炎→水→炎のブレイドコンボ「スチームエクスプロード」が完成した。

ちなみに、ブレイドコンボの最終段階では、攻撃を当てたあと広範囲に大ダメージのある爆発が起こる。この爆発の追加ダメージはフィニッシュを決めたのがどのブレイドの必殺技であろうと共通。

 

またブレイドコンボを最終段階まで繋げると2つの恩恵がある。

1つはバトルに参加している敵モンスター全員に、バトルを有利にする特殊効果を付与するというもの。


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この場合、「自爆封印」の効果が付与された。前の画像を見てもらうと分かるが、最終段階が氷であれば「ブレイド封鎖封印」の効果を付与できる。この効果は、別の効果のブレイドコンボを決めることで上書きされてしまうので注意。

 

もうひとつの恩恵は、モンスターに属性玉を付与することができるというもの。

先ほどのブレイドコンボを3段階目までキメられた相手のテンペスト・プテルスに、赤い玉がついている。これが属性玉。


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属性玉は全属性(炎、水、風、氷、雷、地、光、闇)に存在する。この属性玉がついているモンスターはそれと同じ属性の必殺技に耐性を持ってしまう。同じコンボルートを続けてもダメージ的には損をする。

しかし、この属性玉は後で紹介するチェインアタックの要となるシステムなので、後ほど。

 

このようにして決められたコンボルートの属性で繋げることで大ダメージを与えることをブレイドコンボという。

なお、ブレイドコンボは一体のモンスターで繋げなければならない。要するに、ブレイドコンボを2段階目まで繋げていても、そのモンスターを倒すと、ブレイドコンボのルートはリセットされる。

 

・ドライバーコンボ

ドライバーのアーツによってモンスターの動きを拘束するコンボをドライバーコンボという。

ドライバーコンボはブレイク→ダウン→ライジング→スマッシュの4段階あり、繋げれば繋げるほど追加のダメージと、モンスターの動きを拘束することができる。

 

フュージョンコンボ

内容は単純で、ドライバーコンボとブレイドコンボを同時に進行するというもの。


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フュージョンコンボを行うと、さらなる追加ダメージが狙えるほか、ブレイドコンボのゲージが増えたり、減り具合がゆっくりになったりする。ブレイドコンボの最中は積極的にブレイクやダウンを狙いたい。

 

・チェインアタック

画面左上のパーティゲージは、アーツの特効や、攻撃がクリティカルになると増えていく。1目盛りチャージされると、仲間を生き返らせることができる。そして、3目盛りチャージされた状態で+ボタンを押すと、仲間と連携したチェインアタックが発動できる。

 

チェインアタックは仲間が順番にブレイドの必殺技を放っていく連携攻撃。それぞれのドライバーがエンゲージしている3人のブレイドの中から好きなブレイドを選んで必殺技を放つ。

 

そして、このチェインアタックをする上で重要なのが属性玉である。

属性玉は違う属性で複合し、ブレイドコンボの最終段階を色んな種類の属性でクリアすれば、下の写真のようにカラフルに玉がついていく。


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この状態でチェインアタックを発動すると、


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このように、現在ついている属性玉が画面上に表示される。

この属性玉はチェインアタックの攻撃でダメージを与えることができる。複数の属性玉がついている場合はランダムでひとつの属性玉にダメージを与える。同じ属性玉に3度ダメージを与えると属性玉がバーストし、チェインアタックが属性玉を割った数だけ一周追加される。追加された1周の最初にボタンチャレンジがあるが、それに成功すればブレイドの放つ必殺技が1ランクアップ(Ⅰ→Ⅱ、Ⅱ→Ⅲ)し、ダメージがさらに跳ね上がる。

属性玉は反属性の攻撃、つまり弱点属性の攻撃に弱く(炎↔水、風↔氷、雷↔地、光↔闇と対になっている)。弱点属性で攻撃すれば、属性玉は2回分のダメージを受ける。

 

上の画像の場合、水の属性玉が他と違ってアピールしているように光っている。この場合、レックスのブレイドであるホムラが水の弱点属性である炎の必殺技を放てるため、そちらが攻撃対象として優先される。この場合、ホムラ以外のブレイドを選べば対象はランダムになる。

 

チェインアタック中はパーティゲージがなくなり、代わりに黄色いフルバーストゲージが現れる。属性玉を破壊するとゲージがたまり(弱点属性で破壊するとなお多くたまる)、最大までたまるとフルバーストという状態になる。


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とにかく全員でモンスターをタコ殴りにし、大ダメージを与える。また、フルバーストに入った段階のキャラで必殺技Ⅳを放つことができる。ゲージがたまると発動するので、そうなった場合チェインアタックは周が残っていても強制的に中断される。

ゼノブレ1大好きマンがゼノブレ2をクリアした感想と簡単な考察

まさか連続でゼノブレイド関連の記事を書くことになるとは。


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【注意⚠】

当然ですがゼノブレイド2のネタバレ満載です。そこのお前、クリアしてから読みなさい。


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先日、Twitterのフォロワー様から誕生日にいただいたゼノブレイド2をクリアしました。

 

結論としては、めーーーーーちゃくちゃいいゲームでした。そして、ゼノブレイド1やってて良かったってすごく思いました(語彙力)。

 

とりあえず初代(ゼノブレイド1のことね)のネタバレ無しでの感想を。

 

・ストーリー

ゼノらしく王道っすわ。初代と比べて全体的に明るく、ムービーも若干アニメ調でとっつきやすかったです。ゼノブレイド2の初報を見た時は「キャラデザ変わりすぎだな…」と思ったもんですが、今では「このキャラデザだからこそ!」って気分である。

メツが天の聖杯であること、そしてヒカリが真の姿(メツ目線)であることが分かった辺りから面白くなってきたと思います。

あと亀ちゃんイベントすき。さあ、バカなんだろ。


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・バトル

最初の方はわりとちんぷんかんぷんでした。主にブレイドコンボが。キャンセルとかは割と簡単に会得したし、ドライバーコンボも割と前作と似てるのでそこまで苦労はしなかったのですが、やはりブレイドコンボですね。

理解出来たのは、ヨシツネ戦でのチェインアタックの説明あたり。

 

「あれ樹形図だったの!?」って。

 

前情報は自分で規制していたので、ゼノブレイド2ダイレクトとか一切見てないんです。見た情報と言えば普段のニンテンドーダイレクトでの映像ぐらい。

クリア後にダイレクトみたらきっちりじっちゃんが説明してくれてましたとさ。

 

でもあのチェインアタックの仕様は素晴らしいと思う。

初代のチェインアタックはキャラのステータス(キズナとか)依存の所もあり運要素も絡んでいましたが、今作は事前にブレイドコンボをキメて属性玉を準備し、チェインアタックに入ってぶちのめす…と運を排除しているところが好感触です。ちなみにフルバーストはストーリー中1回しか使えませんでした。世界樹の法王直属のなんとかっていう名前のやつとのユニーク戦だったかな。それもプネウマちゃんの力があってこそだったし。

終盤はドライバーコンボがガンガン決まって気持ちいい。ブレイク、ダウン、ライジング、そして俺は産まれた時からスマッシュ!

 

レベルも同格ぐらいまで上げてたので、ストーリー上のボス戦で全滅したのは、世界樹でのシン&メツ戦とクラウスの幻のニア、トラジークだけかな。対ユニークでは何回も全滅してますけど。


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・フィールド

巨神獣(アルス)は表情豊かでほんとにいいフィールドばかり。でも滅びゆく世界なんだなあと思うと、ちょっと哀しかったり。


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グーラは未だに探索しきれてないと思う。レベル70ぐらいになったし、あの憎きメッサー・タオースを倒ーすつもりです(激うまギャグ)。次は縄張りバルバロッサかな…。


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インヴィディアは幻想的で、天気も綺麗なものが多い。ダイヤモンドダスト?みたいな天気だったり、花びら?みたいなものが舞ってたり。今はアーケディアからの難民で配給が足りなくて困ってるらしいのでなんとかしなきゃならない。

 

スペルビアは昼の音楽がすこすぎる。廃工場に向かう道でマムートやらの高レベル雑魚と追いかけっこしたのはいい思い出。後で聞くにはあれは正規ルートではなかったらしい。マジかよ。

 

ルクスリアは嫌な思い出しかない。というのも、ゲンブの頭に向かうまでの道すがら、天気がずっとエーテルの霧でした。お分かりの方もいるかもしれないが、レベル80代の雑魚ばっかり。ひいこらひいこら言いながら逃げ回ってました。なんかイカみたいなの飛んでるし、張り付いてるライアはでかいし、イベントムービー終わったらレクソスに見つかって瞬殺されるし。今度いい天気のときにゆっくり探索します。

 

リベラリタスもいい所だった。初代のエルト海を思い出す。怒りで回復封じしてくるあのドライバージャガールユニークは許さない。何回リベンジしたと思ってるんだ。

 

モルスの断崖で崖散歩をし、モルスの地あたりで「あれ…この世界…」となり、世界樹で割と確信めいてきました。このアルストの発端はもしや、と。

 

・UI(ユーザーインターフェース)

確かにわかりづらい所はある。個人的にあまり支障は感じなかったが、せめてtipsは見れるようにして欲しかった。…とかなんとか思いながら黄金の国イーラをちょっと触るとめちゃくちゃ改善されててビビリました。これだよこれ。

 

ブレイド

ストーリー終盤にはレアブレイドだけでパーティを固めてました。というか最初の同調で引き当てた風ナックルコモン(これは共通らしい)のヒデンくん以外、ストーリーではほぼレアブレイドしか使いませんでした(フィールドスキルでは使うけど)。

 


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↑(今ではこんな贅沢づかいも…)

 

レックスは早い段階で氷スピアのトキハと同調。スザクも頂いてレックスはこれでレア3人(ヂカラオももらえますが、スピアだしハナJSが地のままだったので、サブでした)。

ニアは加入後すぐに風ボールのイダテンを引き、中盤まで2人でしたが(途中で闇キャノンのアザミをひいたが、回復で固めたかった)、リベラリタス辺りで雷ナックルのザクロを引けたのでこれで3人。

メレフも加入後すぐに風ハンマーのイブキを引き、ワダツミももらえたので3人。風多すぎ問題。

ジークも加入後すぐにアーケディアの港で光キャノンのKOS-MOS Re:を引く。後で調べたらかなりのレアブレイドらしく、まあ確かにクソ強かったので納得(必殺技Ⅱがヤバい)。お前運悪くないやろ…。その後地アックスのメノウも確かニアで引き、オーバードライブしてこれで3人。

トラはまあ…。ラスボス直前でハナ強化のためTIGERTIGER!をしに戻った時にハナJDのクエに気づきました。

 

新キャラ入る度にブレイド同調してましたので、他にもグレンやユウオウなどを当ててます。クリア後もエピックでばんばん引いてます。

鋭い方はお分かりかとおもいますが、皆マスター職です。初代は攻撃防御回復のロールがキャラでほとんど決まってましたが、今作はこのシステムで自由に変えれますよね。でもやっぱりロールは揃えたかった。お前はアタッカーお前はヒーラーお前はタンク!って決めてやりたい派なのです。おかげでニアはずっとスタメンだったし、レックスとジーク、メレフとトラは同時にメンバーに入りませんでした。ニア、ブレイドとして中々使ってやれなくてごめんな…。

 

・キャラ

男キャラもかっこいいし、女キャラはえっち。ホムラとヒカリはその格好で天の聖杯はムリだと思う。メツを見習え、メツを。


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トラとハナちゃんに癒されっぱなしだったし、メレフカグツチポンコツかっこいいし、ジークサイカはギャップと夫婦愛がすごい。そしてニアとビャッコね。ビャッコは作中の男(オス?)キャラとして1番好きかもしれない。ニアはほんといい娘。立場的には負けヒロインだけど、彼女がいないと話成り立たないし。

マンイーターとしての自分を隠すという葛藤は非常に来るものがあった。ヴァンダムさんも、カスミちゃんも、もしかしたら救えてたかもね…。ネフェル皇帝を助ける覚悟ができたのはものすごくグッジョブだけど。


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イーラ組も終盤になるにつれ憎めなくなってくる。サタと心境一緒だったよ、法王庁を相手にしてると、敵味方が分からなくなる。

シンの最期も普通に泣いたし、ヨシツネも途中まではだいぶバカにしてましたが、ベンケイとの関係を明かしたうえでのあの最期は心に来た。

 

法王庁といえばマルベーニですよ。あのバックグラウンドがあるにしろ、相当なクズで笑ってしまった。正直そこまでの野心があったとはプレイヤー僕は見抜けませんでした(無能)。死んだカスミのことをどういう気持ちで見てたんだろうなこいつは。清々しいほどの外道でした。

 

ラストも泣きました。最近涙腺が弱くて困る。ハナの泣き顔はズルすぎるんだって。

でも戻ってきましたね、ホムラとヒカリ。

 

以前どこかで言ったような気がしますが、個人的にご都合主義な展開が嫌いなので、「あーそういう終わり方しちゃう?」ってちょっと思っちゃいましたが、最終話のサブタイトルが「そして少年は少女と出逢った」だし、よく考えたらコアクリスタルはレックスの手にあったので、天の聖杯は消えませんわね。プネウマにとっては賭けだったのかも。

そう考えるとそこまでご都合主義な感じもしなくなってきました。

でもこの終わり方だから丸く収まった感あるし、クラウスの幻で見たあの光景よりももっと幸せに過ごしてほしいなと思う所存。

 

ということで、感想はこんな感じです。黄金の国イーラと追加コンテンツは今からゆっくりやっていきます。ちなみにクリア時間は75時間でした。あまりクエストこなしてないです。

 

感想の最後に、ゼノブレイド2をくれた大根先輩、エキスパンションパスをくれたノテスキア、本当にありがとう。何かで返せたらいいなあと思います。

 

 

 

 

さて、

 

 

さあ、考察を始めよう。

 

 

【注意⚠】

この先はゼノブレイド1のめちゃくちゃなネタバレを書き殴ってますので、未クリアの方は絶対に見ないでくださいね。

そこのお前だ。感動を失うぞ。


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発売から2年が経とうとしてますが、簡単な考察を書いていきたいと思います。もうありふれてると思いますが。カグツチの日記ごとく残しておこうかと。

 

 

 

 

 

 

まさかこれだけの繋がりがあるとは思わなかった。

 


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↑(2のあのシーンは初代プレイヤーが鳥肌、いやターキン肌になったはず)

 

 

因果律予測

ヒカリの能力であり、ゲーム中のスキルでもある因果律予測。もうまんまモナドの力である未来視(ビジョン)ですよね(黄金の国イーラでのアーツ名もまんま「ビジョン」)。後にも語りますが、彼女が天の聖杯であるなら、その能力もうなずけるものがあります。

 

 

相転移実験とクラウス

最終話の初っ端のムービーで全てが吹き飛ぶ。直前までシン達の最期が「雨」のサブタイトルと共に感動的に描かれましたが、正直その後のこのムービーで興奮がマックスになってしまった。

 

その後の世界樹となる軌道エレベータービーン・ストーク」では、「ゲート」と呼ばれる物質が、戦争における最終兵器であるアイオーンを動作させるパワーとなっていた。しかし、その管理権限はクラウスという研究者にすべて移譲されていた…。

 

そう、このクラウスが行ったゲートの力による地球の相転移実験。もう何から何までゼノブレイド1のエンディングのあの実験です(「うわ…うわぁ…!」って言いながら見てました)。このクラウスはアルヴィースが見せてくれた「血と肉を持っていた頃のザンザ」ですね。


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↑(ゼノブレイド1の相転移実験)

 

そしてアルストの創造主としてのクラウスはこのザンザの半身。クラウスという人格が2つに割れたと考えるべきでしょう。

 

ゲートの力によって相転移された地球は消え去る。

多くはゼノブレイド1の次元に転移(海や空、ガラテアなんかもあちらに)し、ゼノブレイド2の次元には、クラウスの半身とモルスの地と呼ばれる地球の灼かれた地表が残ったという。

 

クラウスはレックス達に己の心の片面を再現した幻を見せました。これはクラウスも体験したことなのかもしれません。1のザンザと2のクラウスはかなり相反してます。

 

1のザンザ ⇔ 2のクラウス

 

自己の存続のための世界の破壊 ⇔ 消えたくても消えることのできず自己の罪を償う世界の再生

 

人間への失望(というより垢扱い) ⇔ 人間への期待(その後失望)

 

シュルクたちに拒絶される ⇔ レックスたちに受け入れられる

 

創造主クラウスは半身であるザンザの行動を予知している部分もあります(もうすぐ潰えると断言)。もう片方の人間に失望してきた自分を気の遠くなるほどの時間ずっと知覚してきたクラウスの心境は察するに余りある。

 

 

・補完された情報

アルヴィースの見せてくれたクラウスの映像は、あくまでアルヴィースの記憶です。実際の映像がゼノブレイド2のものだと思います。

 

機神メイナスの以前の姿とされていた研究員の女性の名前が「ガラテア」であることが判明しました。巨神ザンザが「クラウス」という本名を持っているので、そりゃメイナス以外の名前があります。

 

初代の映像はクラウスが独断で「純粋な好奇心」によって地球をおじゃんにしてしまった感じがありましたが、実際は滅びゆく世界と人類に絶望した科学者の憂いによる行動だったようですね。他の宇宙からエネルギーを得る「マルチバース・ジョイント(多元宇宙接続機)」であるゲートを使用した実験であったという情報も追加されました。

天の聖杯のコアクリスタルの形、ゼノお決まりの「ゾハル」。ゾハルは「あらゆる可能性を実現させる物体」でありますが、これはゲートとしてプネウマのパワーの元になっているだけではなく彼女の「思い描いた事象を発生させる」というチートじみた能力の源となっているみたいで。相も変わらずトラブルメーカーです。

 

 

プロセッサー・ウーシア

「トリニティプロセッサー」であり「天の聖杯」でもあるロゴス(メツ)、プネウマ(ホムラとヒカリ)、そして登場しなかったウーシア。

トリニティプロセッサー相転移実験にも使われたコンピュータであり、ロゴスとプネウマは天の聖杯として、アルストのブレイドの情報を蓄積する存在となっていました。

そして消えたウーシア。こいつはもう、彼でしょう。

 

そう、アルヴィースですよ。

 

シュルクの行く先々において人間の姿で助言を与え、そして最後は彼自身が「モナド(因果)」であり、そして相転移実験施設を管理するコンピューター」であると明かしました。


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彼が消えた第三のトリニティプロセッサー・ウーシアであるなら、彼こそが最後の天の聖杯なのでしょう。彼はザンザをも「摂理に設定された限定的な行使者」と扱うほど、超越した存在でしたが、ゼノブレイド2の天の聖杯も、全てを放棄したクラウスの代わりに世界を管理していたとみても差し支えないのかもしれません。

初めは神の僕だったが、後にそれを超えた働きをしていると判明する、というのは共通点です。

あと、彼が神となったシュルクの前に現れた姿(上の画像)は翠玉色で、ダイヤ型の光(見ようによってはゾハル型?)になってるのは、意識されてるのでしょうか。というのは考えすぎでしょうか。

 

 

・おわりに、ゼノブレイドDEへの期待


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2020年に発売されるゼノブレイド ディフィニティブ・エディション(完全版)。

これがゼノブレイド2を踏まえての構成になっているなら、後半のムービーの内容が変わってきそうです。

 

しかし、ボイスが新録されている気配が初報ムービーを見たところ無いので、新たな補完はあまり期待出来そうにありません(追加部分だけ今から収録するなら間に合いそうではありますが)。例の相転移実験のシーンは2のボイス使ったりして簡単にいじれそうですけど。

アルヴィースがウーシアであるということも拾ってもらえるとこれ以上なくアツいですね。

楽しみすぎる。ということで締めたいと思います。

いやあ、楽しかった!

「ゼノブレイド」ってどんなゲーム? ー全人類ゼノブレイドやれー

9/5に公開されたニンテンドーダイレクト。「スマブラSPDLC参戦ファイターの4人目に「餓狼伝説」のテリーの参戦が発表されたり、「ルイージマンション3」や「ポケモン剣盾」、「あつまれどうぶつの森」の新情報が公開されたりと、今回も盛りだくさんの内容だったのだが。

 

完全にトリで持っていかれた。

 


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2010年、Wiiで発売されたモノリスソフトRPGゼノブレイド」がHDリマスターされ「ディフィニティブ・エディション」としてNintendo Switchで発売されると発表されたのだ。

もう僕は、ムービー開始で流れたメインテーマの一小節で鳥肌が立ち、感動のあまりガチ泣きしてしまった。それほどまでに、僕にとって「ゼノブレイド」というゲームは人生最大のゲームなのである。

 

というわけで、今回はゼノブレイド」ってどんなゲームなのさということについて、ネタバレ抜きでご紹介したいと思う。「ゼノブレイド2やったし初代もやりたいなあ」「気になってたけど手が伸びなかった」「シュルクスマブラで知ってるけど…」という方に是非読んでいただきたい。

ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション(以下ゼノブレイドDE)」の購入の参考になれば幸いだ。

 

世界観、ストーリー

ゼノブレイドの舞台となるのは、どこまで行っても尽きない空と海だけの空間。そしてそこに鎮座する、日本列島並の巨大な体躯を持つ「巨神」と「機神」の二柱の神様の骸。

なんでいきなり死体なのかというと、太古の戦争において、二柱の神は相打ちで死んでしまったのだ。

 


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↑巨神(右)と機神(左)の戦争(Wiiゼノブレイド公式サイトより)

 

要するに神様の死体の上に生態系ができ、主人公たちが住んでいる。神の太ももに草原があったり、神の腕に雪山があったりするのだ。これだけでもすごい世界観。

 

主人公はご存知、シュルク


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↑「ゼノブレイドDE」のシュルク

 

シュルクたちの種族、ホムス(ヒト)は、二柱の神の片方、「巨神」に住む種族。

しかし巨神界の生物は、もう片方の神「機神」から飛来する「機神兵」と呼ばれる機械生命体によって、蹂躙されていた。

巨神界の希望は、先述した太古の戦争で、巨神が機神と戦う際に振るっていたと伝えられる神の剣「モナド」。

 


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モナド(ゼノブレイドDE初報PVより)

 

この神剣モナドシュルク達の冒険を中心に、巨神界と機神界の歴史、そして更なる世界の秘密が解き明かされるのであった…。

 

フィールド

巨神界に広がる表情豊かなフィールドは探索しがいがあり、歩き回るだけで楽しい。

 


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↑巨神脚(ゼノブレイドDE初報PVより)

 

スマブラSP」でもステージになっている「ガウル平原」を擁する巨神脚、幻想的な光景を楽しめる燐光の地ザトール、原始的な大自然の広がるマクナ原生林と、印象に残るフィールドは枚挙に暇がない。

一定の名所などに設置されているランドマークは、発見すればすぐさまワープが可能になるので、探索がダレることもない。また絶景の広がる「秘境」と呼ばれるスポットは、発見の難易度もあってその達成感が素晴らしい。見えるところに大体いける。これが2010年のゲームなのか?

そんなフィールドが冒険を彩っていく。

 

バトル、アクション

ゼノブレイドのバトルはシームレスに展開される。つまり「ドラクエ」などのRPGのように暗転→戦闘という流れではなく、フィールドにいる敵にそのままちょっかいをかけたりかけられたりするのである。敵の視界に入らないように戦闘を避けることも出来るし、普通の敵とバトルしていたらとんでもなく強い敵がバトルに入ってきたりもする。

 


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↑(Wiiゼノブレイド公式サイトより)

 

バトルでは、基本的に敵に近づいていれば自動で通常攻撃ができる。そして、さらに画面下部にパレットとして表示される「アーツ」と呼ばれる技を選択することで、戦略性のあるバトルが展開されるのだ。敵のヘイト管理、攻撃の位置取りなど、個性豊かなパーティメンバーで様々な戦い方が可能になる。

 

またゼノブレイド特有の戦闘システムとして、「未来視(ビジョン)」がある。

これは戦闘中にモナドの力によって少し先の未来を見えるというもの。バトル中突然発生し、致命的なダメージを受ける未来を見たなら、アーツによってダメージを軽減したり、攻撃を妨害することで未来を変えられる。

 

声優、音楽

ゼノブレイドの冒険とストーリーを盛り上げるのが、声優と音楽だ。

 

主人公のシュルクの声を務めるのは浅沼晋太郎。「生徒会役員共」の津田タカトシ役や「暗殺教室」の前原陽斗役などが代表的。また、主要キャラであるダンバンの声を務めるのは堀川りょう。「ドラゴンボール」のベジータ役でお馴染みだ。


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↑プロローグのワンシーン(WiiUゼノブレイドより)

 

その他にも玄田哲章中田譲治若本規夫など、ベテラン声優もゼノブレイドに参加している。

 

またゼノブレイドと言えば音楽、という人も多い。「キングダムハーツ」でおなじみの大御所・下村陽子がメインテーマや戦闘曲を手がけている。またACE+の手がける「名を冠する者たち」や「敵との対峙」、「機の律動」などはゲーム音楽でも屈指の名曲だ。上の3曲は「スマブラSP」でも聴くことができる。

 

やりこみ要素

街などでは住人からクエストを受けることができる。「ちょっとお花を集めてきて」とか「あの子と仲直りしたいの」というほのぼのしたものから、「借金取りを懲らしめて来てくれ」とか「息子の形見を探してくれ」とか「あの強敵を倒してきてくれ」とか、なかなかに骨の折れるクエストも多い。ていうかクエストの数が多い。冗談抜きに最初の街で10時間遊べる。

また街の人達に話しかけることで、人々の関係を知っていく「キズナグラム」というシステムもある。住人たちが本当に生きているように感じられ、その世界に没入できるのだ。

 

まとめ

いかがだっただろうか?ちょっと長くなってしまったが、これでもめちゃくちゃ文章を削っている。元の文章はこれの2倍はあった。

 

僕個人としては、このゲームはRPG好きなら絶対やったほうがいい」と断言出来るゲームだ。

正直な話、このゲームはWiiで発売されただけあって、グラフィックの面ではあまり優れているとは言えなかった。しかし今回はSwitchでHDリマスターである。その弱点はもはや克服したのだ(グラに関してはケチつけたらキリがないのだが)。


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↑初報PVラストシーン

 

またゼノブレイドは、前述の通りWiiで発売され、その後WiiUWiiバーチャルコンソールとして、またNew3DS専用で移植として、と3度リリースされた。

システムや世界観が継承されている「ゼノブレイド2」をSwitchで遊んで、「初代もやってみたい」と思った人もいるだろう。

じゃあ上の3つのハードを引っぱり出して…というのは中々敷居が高かったのだが、ついに初代ゼノブレイドがSwitchのソフトとして登場するのである。これはもうやってもらうしかない。

 

というかSwitchを持ってる全ユーザーにこのゲームをやってほしい

 

………あと最後に。実はゼノブレイド公式がすでにあるキャラクターのとんでもないネタバレを多方面で披露している。「ああ、あれのことかな」と勘づいた方もいるだろう。彼女のあの姿はゼノブレイド発売前のCMですらお披露目していたので恐らくタブーなネタバレではないはずだが、ここまで読んで何のことかさっぱり分からない貴方はこれ以上なく幸運なので、このゲームを是非遊んで欲しい。

また分かった方でも、そんなネタバレを「フン!」と鼻で笑えるとんでもないストーリーを誇るのがゼノブレイドなので、このゲームを是非遊んで欲しい。

 

では、あなたの巨神界での冒険の幸運を祈って、この記事を締めたいと思う。

…まあまだ、発売日は2020年中ってことしか分かってないんだけどな。

ミュウツーの逆襲と天気の子を一気見した、ポケモンオタクで君の名は。が大好きな大学生の感想文

帰省したい。

 

【あらすじ】今年から一人暮らしを始めた大学生は、自動車学校、バイト、集中講義の3つの勢力に囲まれ、(脳内が)混沌を極めていた!

 

まあ帰省は9月にするのだが、大勢の同級生がお盆に実家に帰る中、僕だけは教職免許を取るための7日連続の集中講義に精を出していたのである。おかげでいぼ痔になった。

 

それが今回の映画にどう関係するのかというと、帰省出来なかったせいで中学生の頃からつるんでいるポケモンオタク共と夏のポケモン映画を観るという毎年の恒例から、今年はハブられたのである。

割と早い段階で「今年は8月に帰れません」と伝えていたのでいーんだいーんだといじけながら1人で「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」を観に行く算段をつけていたのである。夏映画だから、世間一般の夏休みである8月中の方が確実かな、と思っていたのもある。

そして、ついでに映画館に行くなら、とあの「君の名は。」の新海誠監督作品「天気の子」を観たいと思ったのだ。

 

こりゃ仕方ない。

 

1日で2本同時に観よう。

 


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ということで、人生初の映画ハシゴ。前日の夜にミュウツーの逆襲が12:50、天気の子が15:55開始なのを確認し、就寝。10時に起きて11時の電車に乗るつもりだったが、起きた時点でクソ眠くて(前日3時就寝)(バカ)、一瞬「ミュウツーはいいか…」と思ってしまったが、「なんのなんの」とカロリーメイトをかじり、片道1時間かかる映画館へ向かった。

 

前置きはこのぐらいにして、映画の話をする。あと映画を見終わってすぐ衝動的に書いてるので、見づらい部分とかしょうもない部分が多々あると思われます。御容赦ください。

 

そして勿論ですが、「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」と「天気の子」に関するネタバレが満載です。あと深い考察はしてなくて、ただの感想です。

 

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

 

ポケモンオタクであることを強調してきたが、実はミュウツーの逆襲をまるごと観たことがない。ピカ様がビンタするシーンしか実は知らない。今まで触れてこなかったんだもの。

というわけで、この映画を見る18歳以上の80%が、元のミュウツーの逆襲と比較して観ていくところを、僕はほぼ初見で観ることになる。ある意味ラッキーなのかもしれない(ラッキーは映画に出てきていない)。

 

ここで少し話がそれるが、僕は映画を見る時にはどうしてもポップコーンを買ってしまう派です。そして上映前に半分は食ってしまう派です。

今回も懲りずにバター醤油のポップコーンを購入。飲み物はペットボトルで持っていたのだが、マナー違反な気がするので、せめてSのドリンクも買う。結局劇場でペットボトル飲んでた。ごめんなさい。

 

真ん中の通路に面した席が好きなので(伝わるかなこれ)、そこの壁際をチョイスし、席に着いた。

 

・初見だもの

これに関してはあらすじとか要らなそうなのでカット。もはやお決まりとなった「めざせポケモンマスター」をバックにサトシがバトルする描写。松本姉貴何パターンのめざせポケモンマスター歌ってるの。

サトシ一行がミュウツーに招待される。船着き場のおばさん(おねえさん)が小林幸子だった。相変わらずいい声。

 

大嵐の中、いつもの胡散臭い連中と共に海を超えてく一行。やっぱり失敗し、ヘアッ!ことヒトデマンゼニガメのおかげで事なきを得る。風邪ひきそうで心配だった。

 

ミューアイランドではサトシ一行の他に3人のトレーナーが。連れてるポケモンギャラドスとかラフレシアとかドククラゲとかギャロップとか。「名探偵ピカチュウ」とはまた違ったリアリティのある3DCGポケモン描写で、終始すごいワクワクだった。

あとポケモンセンターからジョーイさんを洗脳して連れていくミュウツーを想像したらちょっと面白かった。

なんかロケット団でめちゃくちゃ安心した。こいつらはほんとにどんな媒体でもやることが変わんないし、何より声がいい。すごい落ち着く。

 

ミュウツーが生み出したコピーポケモンポケモンたちがわざを使わない真剣勝負で、どちらが本物か決める。本物であるミュウより強く作られたミュウツー。強い方が本物らしい。

ぶつかりあうポケモンたち。すごく痛々しい。そして例のピカチュウのシーン。ここよく見るけどそんなに泣けるか?とは思った。痛々しくて見てられなくなるのは事実だけど。

しかし彼らの世界でポケモンの「わざ」の定義はなんなのだろうか。たいあたり、かみつく、ひっかく、きりさく、はたく。この辺はまたわざとして別なんだろうな。

 

ポケモンたちは徐々に消耗していくが、事の発端ミュウとミュウツーはサイコパワーをぶつけ合う。めっちゃミュウ強いな。

 

「もうやめろ!」サトシが相変わらずポケモンのわざに突っ込む〜…。と思ってたら、サトシが石化してしまった。ベガ様もびっくりでしょ。

涙腺ポイントはここだった。

 

ピカチュウがかけよって、必死に起こそうとする。ああ、やべえ…これは…。

…と思ったが、躊躇なく電撃を浴びせてるのを見てちょっと和らいでしまった。感動とツッコミ魂が一世一代の大ケンカしましたよ。

 

ただ、周りのポケモン達が涙を浮かべてるところで、また感動に揺れ動いた。ああ、コピーでも考えることは同じなんだな…。やっぱアイツらも生き物だよ…。

…と思ったが、もこう先生の「(⌒,_ゝ⌒)タイプ一致の涙!?それちょっと待てヤバいぞ!」が脳内再生され、感動が再び笑いに傾いた、僕はここで感情のジェットコースターに乗りに来たわけでは無いんですけど(自業自得)。

脳内から講師を消し去り、再びスクリーンへ注視すると、ポケモンたちの涙がサトシに集まっていた。展開的にも仕方ないし、文句言う所でもないのだが、こういうご都合主義は嫌いじゃないが好きでもないので、感動のピークには達しなかった。それでもポケモンが目に涙を浮かべてると、こっちも涙腺がもらいハイドロポンプしそうになる。

そして、最後にはミュウツーが自分たちの楽園へ。自分の生きる意味を見つけられたならいいことだ。向かった先はギアナ高地でしょうか。

 

ほぼ初見で観ましたが、やっぱり名作だった。リメイク前もいつか観ないとですね。

3DCGの人物もほとんど違和感がなくて、タケシなんかは3DCGのほうが、やけに親近感があった。その代わり、やっぱりサトシはなんか違うな?って感じではあった。全然許容範囲だけど。

 

・天気の子

 

ミュウツーの逆襲で割と心は満足していたが、俺にはもう1つミッションがある。4番スクリーンから出てすぐ券売機に直行し、1時間後に上映される「天気の子」のチケットを購入。待ち時間はポケモンを開いてメタグロスを育成してました。

 

入場開始と同時にショップへゆき、プレミアムメニューらしいキャラメルポップコーンとMサイズのドリンクを購入。本腰を入れて観るぞー!

…しかし、この行動が裏目に出るとは、この時の僕は知る由もなかったのである。

 

開演。ヒロインらしき女の子が病室から外を眺めていると、「光の水たまり」みたいな場所を見つける。それは廃ビルの屋上にある小さなお宮だった。そこで祈った少女は高高度の上空から落ちた。

完。んなわけない。

 

場面は移り、主人公の帆高が、客船に乗って東京を目指す場面に。すると帆高が甲板でゲリラ豪雨にうたれている。

何してんだ?と考えていたところで事件は起きる。なんと肘掛けに置いていたポップコーンが重力の法則に従ってぶちまけられたのである。大いに焦り、座席から手の届く範囲でポップコーンをかき集める。550円が無駄になってしまった。

よって、帆高が須賀さんに助けられる瞬間を見逃してしまった。目を向けたら帆高が980円のビールを奢っていた。あそこの場面を詳しく説明できる方は、ここのコメント欄かTwitterで教えてください。

 

で、東京。バイトを探している帆高。お前さてはノープランだな?

ここんとこの首都圏は連日雨らしく、ずーっと雨が降っていた。雨に打たれ続ける帆高。風邪ひきそうで心配だった。

 

で、バイトの見つからない帆高。水商売の店の前でうずくまってると、そこのチャラい客引き?に蹴飛ばされたりするが、ここでゴミ箱に隠されたチャカを入手する。なんでここに拳銃が!?と思ったが、少し前のカットで渋谷のでかいテレビ(田舎者なので名前が分からない)に拳銃が云々みたいなニュースが映ってた。あれか。

 

今度はマックで夜を過ごす帆高。3日間それを続けてると、バイトの女の子がビックマックを出してくれた。おーおー好き勝手やりなさる(嘲笑)と王道展開にほくそ笑みながら、「そんな綺麗なビッグマック出してくれる店ねえよ」と考えていた。その女の子が冒頭の女の子だと気づくのはまた後の話。

 

帆高は冒頭助けてくれた須賀さんに電話することに。彼は会社をやってるらしい。

行ったら雇ってくれた。美人な夏美さんと須賀さんに囲まれながら、月刊ムーレベルの怪しい記事を書く仕事で、帆高は割と充実していた。

 

ある雨の日(ずっと雨の日だけど)、帆高はあのビッグマックの女の子が、こないだチャカを見つけた時の客引きに絡まれてるところを発見する。帆高、動きます。

奪還する過程でちょっと銃刀法違反してしまうが、逃走して女の子を救出できた(チャカはビルに捨てた)。彼女は陽菜、18歳。そしてちょっと祈るだけで一時的にその場の天候を晴れにしてしまう、天気の子であった。

都市伝説「100%の晴れ女」を追っていた月刊ムーの手先である帆高は、彼女をビジネスにすることにする。ここだけ聞くとすごく怪しい人。

家にまであがりこんで新しいビジネストークでイチャイチャしてると、陽菜の妹にしてハイパーマセガキの凪に嫌な顔をされるも、どんどん成功していく晴れ女ビジネスに、凪も協力していく。

超絶胡散臭い晴れ女ビジネスは大成功し、中止間際の神宮花火大会さえも敢行させる。帆高と陽菜はこの段階でほぼデキてるようなもんで、さわやかな関係をこっちも楽しんでいた。

しかしまあ「なんかデメリットがあるんやろなあ」と思ってたら、案の定だった。

 

凪を恋愛の先輩と仰ぎ、帆高はアドバイスをもらいつつ陽菜の誕生日に指輪をあげようとする。確かにちょっと重い。

まああげられんのやろなあ、と思ったら、あげるのはだいぶ後になった。陽菜の様子がおかしいのである。

天気の子、もとい「天気の巫女」は人柱だった。天気の巫女が身体を捧げることでこの異常気象は収まるのである。

チャカの件やら家出の件やら陽菜の生活の件やらで警察に追われる身となった帆高陽菜凪一行。その頃には8月の首都圏は大雨特別警報級の豪雨に見舞われ、強い寒波の影響で雪まで降り始める始末。冠水したとこ凍ってんじゃないの。

途中警察に見つかるが、陽菜が雷を落とすという荒業を披露し逃走、数時間前のピカチュウがフラッシュバックした。

一行が辿り着いたのはなんとラブホテル。でかいベッドにでかい風呂、カラオケ設備もついててどんちゃん騒ぎ。正直うらやましい。

 

寝るシーン。

若い男女、風呂上がり、いい雰囲気、ラブホテルで寝るシーン、何も起きないはずもなく…みたいな書き出しだが、たぶん何か起きている。てかあれは絶対ナニか起きてるでしょ。隣の弟くんも知らんぷりするでしょあのマセ具合だと。

すでに身体が水槽のように透け始めている陽菜はここで、自身が人柱になることを決意した。だって彼に「雨止んでほしい」って言われれば、ねえ。

陽菜は人柱に、凪は児童相談所に、そして帆高はお縄についた。陽菜が人柱になったことで、東京は約70日ぶりの日差しが。70日間雨ってそんなん滅入るわ…。

やはりというかなんというか帆高は取調室から脱走。こいついつも逃げてんな。

就活戦士夏美の手助けもあり、着々と逃走する帆高。

 

そしてここで、スクリーン外での2つ目の弊害が。

 

ドリンクMのせいでめちゃくちゃトイレに行きたくなったのである。

 

20分ぐらい我慢していたが(ラブホのシーンぐらいから)、どうにも限界で、「たぶんここは警察とのチェイスだ」と見切って席を立ち、トイレに駆け込んだ。

帰ってきたのは平泉成声の警部が須賀に「泣いてますよ」って言ってるシーン。よって、須賀が泣いてる理由が分かっていない。あそこの場面を詳しく説明できる方は、ここのコメント欄かTwitterで教えてくだ(ry

 

色々あって廃ビルのお宮に到着した帆高。だがそこには、須賀の姿が(シャレではない)。

須賀は帆高に警察に大人しく捕まるよう言う。劇中この人は通して「大人」像を帆高に伝えているのだ。大人になれ、帆高。

もちろんここでは終わらない。

この廃ビル、実はあの時、陽菜を客引きから連れ去り、チャカを投げ捨てたビルだったのだ。

バイト先のおっさんに銃を向ける高校生という構図。ただそこに警察も到着する。万事休すか。

それでも帆高の想いは止まらない。それに感化されてか、須賀も帆高を取り押さえていた梶裕貴声の刑事をぶん殴り元カノの力を借りて女装ショタに変身してまで児相から脱出した凪も加勢し、帆高はついにお宮に到着する。

空の向こう側、「彼岸」で実は中3だった陽菜と再会した帆高。爽やかだなぁ…心の薄汚れたオタクは眩しさで消えてしまいそうだったが、再び東京に降り注いだ豪雨でちょっと安心してしまった。雨で安心できるなんて、高校の体育が持久走だった時以来である。

 

これでハッピーエンドかな…。

安心した…安心………。

 

ん?

 

はあ!?

3年間雨が降り続いた!?

 

陽菜が人柱であることを拒否したため、文字通りの異常気象で東京は水の都となってしまった。2人の愛で、東京は海となったのである。なんだこのスケール。

 

そして舞台はその3年後。君の名は。は何年後だったかな…と考えながら、完全に沈みきったであろうお台場に開いた口が塞がらなかった。大学生となった帆高は警察からの保護観察処分を終え、再び東京に。そしてまだ高校生の陽菜と、水浸しになった東京で感動の再会を果たしたのだった。完。

 

だらだらと内容を書きつけてしまった。これ大丈夫か?まあ多分RADWIMPSもエンディングで大丈夫って言ってるし問題ないだろう。

 

これは考察というか気づきなんですが、帆高、陽菜、凪って名前もいいですね。「陽」「凪」って「雨風」とは対照的な名前だし、たとえそれが雨風だとしても「帆」を高く張って前に進んでいく感じがすごくよいと思います。

そして3年後の須賀さんの「世界は、元々狂ってる」って言葉がめちゃくちゃ好きです。

 

君の名は。と繋がってる!!

晴れ女ビジネス最後の依頼で、立花という名前のおばあさんの家に向かう一行。その家に現れた青年は…

 

え゙っ?瀧君!?

 

君の名は。」の主人公瀧がそこにいた。

そうご存知の通り、天気の子には、君の名は。の主要登場人物がゲスト出演しているのである!これはアガる。

 

「これは今後も他の奴らが出てくるな?」と目を光らせていると、指輪を買う場面で、ふと気づいた。…この店員もしや、と思い名札を見てみると

 

「Miyamizu」

 

み、み、み、三葉!?ヒエーッ!

 

すごいファンサービスのゲスト出演!というかよく気づいた。自分えらいぞ。

 

しかし、スタッフロールを見ると…

 

………

 

……まだおるんかーい!!

 

勅使河原とか早耶香とかもいたらしい。もしかして両方警察官かな…?児相の警官は早耶香っぽかったけど…今考えると違う気もする。で、四葉もいんのかい。もうわかんねえよ。

 

というか新海誠世界の日本大変すぎない?

山ん中に巨大隕石落ちて、東京は水浸しで首都機能壊滅やぞ。今度は北海道が天空都市にでもなるんじゃなかろうか。

 

 

まあというわけで、圧倒的新海誠ワールドに再び圧倒され、凄まじい余韻に浸りながら、映画館を後にした。君の名は。を見た日はカープが25年振りのセ・リーグ優勝を果たした日だったなあ…なんてことを考えてたりもしていた。

 

人生初の映画ハシゴをした大学生は、カバンの中にプレゼントされたミュウツーのガオーレとアーマードミュウツーポケカを忍ばせつつ、自分が新海誠ワールドの中の1人であるような感覚に、ただただ酔っていましたとさ。

オタク、髪を切る

90分のハートフルコメディ映画が始まりそうなタイトルですが気にしないでください。

 

GW以来髪を切ってなかった。

帰省の折、行きつけの1000円カットのチェーンで切ってもらおうとしたところ、その店がGW休みに突入しており、まさかの初見のお安い理容店でいつもよりかなり短めにスポーツ刈りにされた話は別の機会にすることにするが(しません)、個人的寝ぐせ注意報ぐらいまでに髪が伸びてきたので、いよいよ散髪の決心がついたのだ。

 

「決心」なんて大層な言い方をしておりますが、ちょっとお待ちください皆さん。初見の理容店ってほんとに緊張しませんか?わしは叶うことなら行きたくない。

ただこのままだと笑い飯西田のように後ろで髪をキュッって結ぶようなヘアーになりかねないので(なるか?)、さっさと切りたかった。

 

先日、用意周到で石橋は叩いて渡るタイプでいわゆるチキンなあっしは、大学で知り合ったばかりの友人どもに「どこで髪切るべか」と聞き込んでみた。

ただ、やつらは生きてきた世界が根本的にあっしみたいなオタクと違うので、その辺にあるオシャレな美容室とかで髪を切ってやがる。ケチなオタクは散髪なぞに2500円も払ってられないので、結局お安そうな店を自分で探した。

 

そして今日、少し自転車で遠出し(言っても3km程度だが)買い物ついでに下調べした理容店へと恐る恐る飛び込んだ。

 

その店もチェーン店で、1カットだいたい1500円。このぐらいがファッションに疎いオタク学生にはちょうどよい。

 

入るとすぐ椅子に通されて、タオルや布を重ねがけされ、そして「どういう風に切りましょう?」と聞かれた。

 

出たよ「どういう風に切りましょう?」。

 

オタクは髪型に疎い。大学生の身分、もう髪型には周りの目とバイト先の規定以外の制約がないのだが、この瞬間が自分のこれからの1ヶ月半を決めると思うとかなり嫌な場面である。何と言えばいいのだ。脳内迷路を右手の法則で突破したオタクは「長めのスポーツ刈りで…」と注文。なんだ長めのスポーツ刈りって。

店員はそんなオタクに気を利かせ、そのメッセージを読み取ってくださった。そして「この辺まで刈り上げる感じで?」と聞いてきた。

 

わかんねえよ「この辺まで」って。

あう…と声にも出ないうちに続けて、「バリカン何ミリがいいですかね?」

 

わかんねえ…。

ここまでくると重症だが、この何ミリか考える時間コンマ数秒がとてつもなく長く感じた。脳細胞が考えることを拒否している。そして救いの手は差し伸べられる。

 

「長めなら8ミリか10ミリとかありますけど…」

 

8ミリ………!!

 

正直バリカンのミリ数とか全くわからないのだが、こちらの言ったことを噛み砕き、反映した上で数値を示した提案をされたので、完全にプロに任せる方向で行きました。オタクの悪い所が出ている。

 

そして、あとはされるがまま。

 

だらしなく伸びた髪はすっかりさっぱり綺麗に落とされ、さわやかな髪型となりました。こういうチェーン店は散髪中に会話する必要がないのがいいですね、初対面の人と会話するのは楽しくもあるのですが、同時に疲れるので、ボーッと考え事しながら切られてるほうが個人的には好きです。細かい注文とかもいらないし。

 

ただもみあげの処理は失敗だった。

 

カット中バリカンを耳の辺りに当てられながら、店員に何やら聞かれたのだが、バリカン+ぼーっとした頭のせいで完全に聞き逃し、「アノ…スミマセンモウイッカイ…」と聞いたら、「もみあげ、このままで大丈夫です?」とすごいハキハキと聞き取りやすいように言ってくれた。

オタクはアドリブに弱いので、「アッ、ハイ!」って言ってしまったが、後で考えると「ああ、じゃあ耳の下あたりまで剃ってもらう感じで」とこなれた調子で言ってやればよかったのである。結局「じゃあ自然な感じで切っときますね」と綺麗にもみあげは長さが揃えられた。多分明日の朝自分で剃る。

 

「シャンプーどうされますか」と聞かれたので「いや、大丈夫です」って返すと襟の部分を剃ることに。なんか文章繋がってない気がするが、ほんとにこうだったから仕方ない。 

 

それにしても初めてクリームをつけて剃られた。

 

髭はカミソリで自分で剃りますが、100均で売ってる髭剃り用カミソリで十分なのでシェービング?のあったかいクリームを首まわりに塗ったくられた時はちょっと緊張しましたね、ハイ。よほど毛の生え方が汚かったのだろうか、すごい念入りに剃られたような気がします。後で触ったらつるつるでした。すごい。

 

それにしてもいい店だった。清潔だし、店員の対応も普通で良かったし。スタンプカードも作ってしまった。スタンプが貯まったらシャンプー一回無料らしいし、体験してみてもいいかもなあ。

 

というわけで新生活散髪レポートでした。

 

次行く時は「ああ、じゃあ耳の下あたりまで剃ってもらう感じで」とこなれた風に言ってみようと思います。

 


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髪型。正岡子規アングル。

「バーチャルさん」1話はなぜ失敗の烙印を押されたのか

先日公開されたアニメ「バーチャルさんはみている」。一昨年の末からネット上で人気の存在、バーチャルYoutuber※(以下、Vtuber)達の様々なコーナーによるオムニバス形式で展開していくアニメです。

 

※ちなみに中にはVtuberではなくバーチャルライバーを名乗る出演者もいるが、ここでは便宜上Vtuberと呼ばせて頂く。

 

「バーチャルさんはみている」は今話題の彼らを起用した冬アニメの意欲作の1つとして注目されていました。

しかし、いざ公開されるとネット上では「懲役23分」「学芸会」「公式クッキー☆」「やっぱつれぇわ…」など批判的な声が数多くあがりました。

一体なぜこれらの反応を貰うに至ったのか。それを良く言えばVtuber大好きマン、悪く言えばただのバチャ豚こと私が、真面目に分析しようと思います。

 

☆各コーナーの感想

まず分析する上で必要な「バーチャルさんはみている」1話の内容に関する感想を、各コーナーごとに見ていきます。

非常に独断と個人的な感想が含まれますので、「そんなん興味無いわ」という方はすっとばして貰って構いません。

 

・プロローグ


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はっきり言ってつかみは失敗です。

ばあちゃるをナレーターとして起用したのは適材適所だと思いますが、その馬の特徴を全部潰した上での起用であり、つまらないものに感じてしまいます。

また、出演者各々の個性が強すぎるあまり、彼女たちのことをよく知らない初見にとってはこれだけの紹介映像で個々に感情移入する(俗に言う「推す」)ことはできないでしょう。

どんな漫画やアニメでも物語を進めていくうち、主人公に感情移入していきます。「1話」というのは大体そういうものです。このアニメはオムニバス形式なので、ある程度仕方ないことではありますが、もう少し段階を踏んで彼女たちのことを覚えてもらう必要があると感じました。

 

・Virtual Wars
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ゲーム部プロジェクトの4人による寸劇。彼らはゲーム実況の傍ら、世界観のすごい演劇の動画をあげることで知られます。

…というのもただの内輪ネタ。開始してから彼らの登場人物紹介はありません。台本もまだ無難な方でしたが、彼らのファンからすると、物足りない印象を受けるかと思います。

私個人も、ゲーム部に台本書かせた方が面白いのではと思いました。個人のキャラも活きるでしょうし。そうなれば、やはりまずキャラを知ってもらうところから始めるべきですが。

ただ演技の安定感は確かです。

 

・バーチャルグランドマザー


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休憩ポイント。

ラスボスでおなじみ、小林幸子のコーナー。

しかしこの人はVOCALOIDにしろVtuberにしろ新しいものを迎合できてて凄いなあと思います、というのは蛇足です。

 

・レッツゴー!教室
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ぶっちゃけ1話で一番面白くなかったのはここ。

わちゃわちゃしすぎてて、展開についていけませんし、台本読まされてる感が非常に強い(月ノ美兎の無理なキャラ維持とか)。

これなら、もう少し人数しぼって同じ状況に放り込み、アドリブでやらせた方が数段おもしろかったんじゃないかと思いました。個人の力量は必要ですが、ここに集まってるのはVtuberの中でも精鋭たちですから。

ピーナッツに救われることになるとは」というコメントも見られました。割とその通りでした。

 

・富士アオイ公園(パーク)


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意外と評価のいいコーナー。「歌うま」で知られる2人のVtuberのコント。

一体どういう風に話が続くのか気になります。

 

・てーへんだ!アカリちゃん
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ハイテンションなミライアカリと田中ヒメのコーナー。Vtuberファンとしては、普段の動画のような雰囲気でプロローグよりは安定感があります。

しかし、2人のことを知らないと必ずついていけない。興味の無い芸人のトークショーを見てる気分になることうけあいでしょう。

 

・ひなたちゃんは登校中
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ゲーム脳というわかりやすい題材で、視聴者層には受け入れられやすかったはず。ただ「ドン勝」やらPUBGあたりのゲームの知識がないと分かりづらい。

彼女のキャラもハチャメチャというほどでもないので、脳みそもある程度ついていけたでしょう。

 

・うんちく横丁
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休憩コーナーその2。

うんちくを話す電脳少女シロの「シロちゃんの〇〇は為になるなぁ!」というネタに乗っかったものだと思います。

 

・委員長、3時です。
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月ノ美兎やゲストの剣持刀也が所属するグループ、にじさんじを知らないと恐らく楽しめないコーナー。アニメで「剣持力也」の名前ネタをする必要はなかったでしょう。

しかし、内容はフリートーク寄りの彼らの本分のようなところでもあり、普通に面白いです。評価が分かれるコーナーだと思います。

 

・ユニティちゃんはコロがりたい
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「Unity(ユニティ)」とは簡単に言えばゲームエンジンで、ユニティちゃんはそこに登場する3Dモデルの素体としても登場するマスコットのようなキャラクター。

そんな出元もあってか、アニメーションの安定感が半端ない。1話だけでは全く内容が掴めないので、今後に期待してます。

 

・ケリンスレイヤー
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ニコニコ動画で人気のケリンの冠コーナー。

内容の展開に無茶はありませんが、「ぶち飛ばして行くぜ!」なども内輪ネタと言えば内輪ネタ。変顔も初見からしたら「?」のはず。

途中諸般の都合(ケリンの3Dが間に合わなかった?)で静止画や絵コンテになるなど、掟破りな展開を見せました。

 

・聞いてよしすたぁ!
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休憩所その3。

にじさんじ所属のシスター・クレアのコーナー。にじさんじのメンバーは基本2Dのペラッペラで、3Dのばあちゃるやときのそらと組み合わさるのは難しいのですが、上手くそれを誤魔化せていました。

 

・エンディング


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お便りコーナー。内容はさておき、ここまでくると最早これはアニメなのかという疑問がふつふつと湧き上がってきます。これに関しても後ほど分析します。

 

2.5次元という存在の難しさ

ここまで「バーチャルさんはみている」の1話の感想を、各コーナーごとにべらべらと述べてきました。個人的な総括は「Vtuberに振り回されている」というものです。

そこには、Vtuberの「2.5次元」という独特な立ち位置が関係していると考えます。

 

まずHIKAKINやはじめしゃちょーなど、一般的なYouTuberというものは、当たり前ですが、生身の人間です。

彼らは私たちと同じように生活しますし、街に行けば出会えるかもしれません。ファンレターも送れば彼ら自身が読むでしょう。彼らは「私たちでも出来るけど、自分の才能で面白くしたこと」を「バラエティ」として提供することを生業としています(この辺りはテレビに登場する芸人も同じです)。

彼らも3次元、私たちも3次元。同じ世界に生きる人たちが、エンターテインメントで私たちに娯楽を提供しています。

 

漫画やアニメは、まごうことなく2次元の存在です。

彼らは私たちとは違う世界に生活しています。彼らの世界では、突然光の戦士として世界のために戦うことを求められることがありますし、はたまた別の世界では、パンの妖精がバイキンの親玉を成敗することもあります。これらは私たちの世界と交わることは基本的にありません。フィクションの存在であるからです。街を歩いていても、プリキュアアンパンマンに遭遇することは出来ません。彼らにファンレターを送っても、その世界を創った人にしか届きません。着ぐるみや声といった形で私たちと融合することがあるにしろ、それはアクターや声優といったノンフィクションの3次元の存在を借りた結果にすぎません。人々がこれを「夢」というのはそういうことです(上のような事を言うと「夢を壊すな」と言われます)。

 

しかし、Vtuberはその間にいる存在です。

 

彼らは普段フィクションの世界で動いています。現実世界に、喋る半裸のピーナッツとか、大魔王とかがいてはたまりません。彼らはその世界観の中でYouTuberとしてエンターテインメントを提供します。まるで2次元のキャラクターが、3次元の真似事をしているように見えます。

ただ、それは逆も然りです。彼らには「フィクションの魂」となる3次元の存在、すなわち「ノンフィクションの中の人」がいます。

喋るピーナッツだろうが大魔王だろうが、街を歩けば彼ら(の魂もとい中の人)に遭遇することができるかもしれません。ファンレターを送ればノンフィクションの存在である彼らが読んでいるように錯覚できます。

 

このように、Vtuberは3次元と2次元の狭間、2.5次元にたゆたうまだまだ不確証な存在です。ここに、「バーチャルさんはみている」の一つ目の失敗が見えてきます。

 

「バーチャルさんはみている」の試みは「2.5次元の存在を2次元に当てはめる」試みです。上手く次元を越えさせるには彼らの3次元的な個性を一度隠す必要が出てきます。

仮に、人気YouTuberのHIKAKINがアニメ化するとします。こうした時、おそらくHIKAKINはデフォルメされたアニメのキャラとして劇中に登場し、彼自身が声優として台本通り吹き替えをします。これは3次元が2次元に合わせている例です。

「バーチャルさんはみている」では、Vtuber2.5次元という次元的に中途半端な存在であるため、アニメの2次元世界に上手く当てはめられていないように感じます。

こうなると、「バーチャルさんはみている」を視聴した人は「これはアニメなのか?」という疑問を抱きます。何故なら、Vtuberの3次元的要素であるエンターテインメント性が隠しきれておらず、バラエティ番組のような体裁が見え隠れするためです。エンディングのお便りコーナーなどで彼女たちのわちゃわちゃする様が、知らない芸人ががやがやしてる様に感じるのはそのせいです。

2次元的要素と3次元的要素をもつ、2.5次元Vtuberという存在を持て余している。これが第一の失敗です。

 

Vtuberという閉塞的なコミュニティ

二つ目の失敗として、「内輪ネタ」を多用しすぎている点があげられます。

しかしアニメとして「ネタが分からない面白さ」、要するにある種の「シュールさ」というのを経験したことのある方もいるかもしれません。「ポプテピピック」などはその代表格です。

しかし多様なパロディを使用している「ポプテピピック」と内輪ネタを多用する「バーチャルさんはみている」とには大きな違いがあるのが現実です。

 

先程、2.5次元というVtuberの立ち位置の話をしました。Vtuberというのはこの立ち位置ゆえに、ファンに特徴ができます。

2.5次元の存在であるVtuberは、「2次元も無理、3次元※も無理」「2次元は好きだけど3次元は無理」「3次元は好きだけど2次元は無理」という方々を寄せ付けません。一方で「両方好き」だとか「2次元があれば大丈夫」「3次元があれば大丈夫」という方々をファンに抱え込みます。

 

※ここでの「3次元」は一般的なYouTuberのようなバラエティ的要素を指す。

 

「両方の次元が無理」「片方の次元が無理」というアンチテーゼな立ち位置の人々が必然的にマジョリティーになりがちです。この場合の「無理」という感情は、あらゆる琴線の一つに触れた時点で「無理」なので、その数が多くなりがちだからです(3次元のYouTuberさえ老若男女問わず大衆に認められているかと言ったらそうでも無いのも現実です)。Vtuberのファンはそれらの大衆と比較するとマイノリティになります。ちなみにここでの多数派少数派はどちらがより強権的かという違いではありませんのであしからず。

ファンがこの立場を取らざるをえないので、Vtuberのコミュニティは閉塞的になりがちです。そのためより独自の文化が育まれます。独自の文化はコミュニティ内の人間からすれば、自分たちの創り出した共通言語として面白いものと認識されますが、あまりに閉塞的であるがゆえに、コミュニティ外に認められることが非常に難しいということになります。これが「バーチャルさんはみている」内で扱われている内輪ネタであり、これでは「アニメ」という既に広く大衆に迎合されている枠組みに受け入れられるはずがないのです。

マイノリティで閉塞的なコミュニティ側は、マジョリティに合わせていかなければ、理解を得ることができません。これが「バーチャルさんはみている」の二つ目の失敗です。

 

なら別に内輪ネタで固めて、Vtuberファン向けのアニメにすればいいんじゃないのか、という声も聞こえますが、なら初めから冬アニメとして地上波公開する必要がありません。Vtuber同士でコラボしてもそれなりのものは作れます。アニメとして広く公開しているのであれば、必ずVtuberをより知ってもらいたいという意図があるはずですし、多くのファンがそれを願っているはずです。「バーチャルさんはみている」はそれに酷く矛盾しているように見えるのです。

 

☆没個性だからこそ面白さを理解出来る

三つ目の失敗として挙げたいのは、彼らの個性を活かしすぎたがために、初見視聴者(アニメという枠組みの大衆)の理解が追いついていない点です。これは内輪ネタを抜きにした話です。

 

ニコニコ動画では「バーチャルさんはみている」を「クッキー☆」と比較しているコメントが散見されます(記事冒頭のマイナス評価内でも例として挙げました)。

クッキー☆」というのは、弾幕シューティングアクションゲーム「東方Project(以下、東方)」シリーズの二次創作ボイスドラマの総称です。それらのシリーズが人気なのはその微妙な演技や作画、構成(二次創作なので無理は言えません)が「淫夢」界隈によってネタにされたためです。

それはさておき、「クッキー☆」の出演キャラクターはもちろん「東方」のキャラクターです。しかし、その内容はあまり「東方」キャラの個性的な設定が活かされているものではありません。「東方」の登場人物はVtuberにも負けないほど個性的な少女たちなのですが、「クッキー☆」の劇中ではそれらの個性が意図したものか偶然か、かなり隠されたものになっています。

もちろん「クッキー☆」も百合展開が好きな東方ファン向け、という大まかな需要があるでしょうから、これをつまらないとする人がいます。しかし、全くの初見でも百合が好きならある程度設定を迎合できるところがあります(クオリティは別として)。このように考えられるのはひとえに、物語の展開を理解できるからです。

クッキー☆」は「内容が分かった上でつまらない」と判断できるのですが、「バーチャルさんはみている」は「まず内容が分からないからつまらない」という要素が多くあるように思います(もちろん分かっててつまらない場面も人それぞれ多々あります)。もし「クッキー☆」が弾幕シューティングバトルを全面に打ち出した百合東方ボイスドラマなら、これほどまでに受け入れられなかったのではないでしょうか。

また先程例に挙げた「ポプテピピック」の主人公「ポプ子」と「ピピ美」も彼女たち自身の設定が非常に薄いのです。その為、視聴者はアニメの奇想天外な展開にだけ集中してれば面白さをいくらか感じられます。ある程度キャラクターが没個性だからこそ、視聴者が面白さを見いだせるという部分は十分にあると思います。

 

あまりに個性的で、内容を楽しむためにあまりにたくさんの前情報を必要としてしまう。キャラクター紹介も杜撰であり、メインの出演者の個性を理解しづらい。これが「バーチャルさんはみている」の第三の失敗と言えそうです。

 

☆これからの視聴者を「みている」のか

期待を背負って公開されたVtuberアニメ「バーチャルさんはみている」はスタートダッシュを失敗した格好に見えます。

私のようなVtuber好きにとっては、1クール12話見る価値があるアニメですが、先にも言った通りそれだけではただのVtuber同士のコラボと変わりありません。アニメとして多くの人にVtuberの良さを知ってもらえるための企画としては現時点では失敗しています。

果たしてバーチャルさんは、たくさんの視聴者のことを「みている」のか。その視聴者のためにこれからどんな展開を見せるのか注目する価値はあると思います。

 

ここまで長文を書き連ねてきました。これらは私個人の感想であり、駄文ではありますが、一ファンとして正直な意見であるのは確かです。

ここまでじっくり読んでくださった方に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

メガネ屋に行こうとしたらパンを買った話

5月の半ば頃、メガネデビューをした。

 


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主にスマホという天使のような悪魔のような機械が原因なのだが、視力が落ちてきた。幼稚園の頃からゲームに親しんでいて、じいちゃんの家に行った時には(じいちゃんの話がこのブログのバックナンバーにあります)、それこそアホみたいにゲームをやってた(DSとか)。それでも中学生まで視力はほとんど落ちなかったので、「あ、俺ってそういう体質なんだな」ってずーっと思っていた。しかし、スマホはそんな軟弱な考え方は一蹴し、俺の視力をどんどんどんどん下げていったのである(こう書くと全部スマホが悪いように聞こえるが、スマホをずっと見ていた自分が確実に悪い)。

 

現在の視力は0.6ほど。教室でいえば、後ろの方の席からは黒板が大分見えづらいといったぐらいである。日常生活にはさほど支障はなく、毎日の通学の自転車を漕ぐのも訳ない。強いていえば遠くの人の顔がいまいち分かりづらいぐらいである(支障あるじゃん)。

 

メガネを買った時の話に戻る。まずはフレームを選ぶ。あまり買い物には時間をかけないタイプなので、目に付いた黒くて一般的なフレームの無難なものをチョイス。その後超本格的な視力検査を行い(気球の視力検査を初めて体験した)、度数を決定。人当たりのいい紳士的なおじさんが接客してくれたのだが、「ちょっとこれ、かけてみて。」って言われた仮のメガネをかけてみると、なんとまあ世界が違う。遠くまでハッキリと見え、やや遠くの応対ブースで紙コップのお茶を啜っていた母親の姿もくっきり見えた。

 

すっかり気分を良くし、メガネを購入してもらった。その時にカウンターで「6ヶ月間は無料で度数を変えさせてもらってます。またその時一度来てみてください。」とメガネのキマったおっちゃん店員に言われたのだった(ところでメガネ屋さんの店員ってメガネかけてる人しかいないのですが、伊達メガネも少しはいるんですかね)。

 

時は11月11日。

申し訳程度の受験勉強に勤しんでた時、ふと、ああ、この土日でメガネ屋に行って度数を見てもらうんだった、と思い出した。外に出るのも億劫だな…と思いながらも、この時期にしてはかなり暖かい日曜日の昼過ぎ、すっかり慣れたメガネと保証ハガキ、財布をカバンにぶち込んで、5月に行ったメガネ屋へ愛車(自転車ね)を走らせた。

 

昼下がりはパーカー1枚でも過ごしやすく、よく晴れた秋の高い空には飛行機雲が境界線を描いている。近所は宅地開発が進んでおり、ボロ家と新築のテカテカとした家が混在している。道路脇の温度計は18℃を指していた。うーん、ちょっとしたお出かけにはいい天気だ。

 

見慣れた道を抜け、通りへ出る。この辺りはいくらか店が軒を連ねており、タイヤ屋とかハンバーガ店とかお好み焼き屋(広島っぽい)とかがペカペカと派手な色の看板で誘惑してくる。うるせえうるせえ、今日はてめえらに用はねえんだ。目もくれず自転車を走らせ、ついに目的のメガネ屋へと到着した。

 

が。

 

 


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…ん?

 

はて…???

かいそうちゅう??かいそうちゅうってなんだ???

 

…いや、待て待て落ち着け、こういうことはよくある事だ。店の外装のペンキを塗り替えていて、周りには鉄骨が組んであるが、実は入口は開いている…というのはよくある話だろう。なーんだ、そういうことか。全く、ビビらせやがって…。


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…おろ?

 

ぐらんどおーぷん?ぐらんどおーぷんってなんだ???

待てよ、考えろ、「11月23日(金)グランドオープン」ということは、すなわち「11月23日(金)まではクローズ」という訳で…。

 

………

 

 

はああああああああああああ!?!?!?!

 

俺、その場に膝から崩れ落ちたい衝動に駆られる(オーバーだな)。

なんという事だ…。意気揚々と秋真っ盛りに飛び出してきたというのに…なんでこのタイミングで店内改装工事やってんのよ……。バカじゃないのアナタ!もう!(怒りのあまりカマ口調)

 

秋の高い空から一気に冬のどんよりとした曇り空に叩き落とされた感覚を覚え、自転車をUターンしようとした時、

「ぷぅ~~~ん」

…蚊の羽音でもなければ、オナラのニオイでもないのだが(あたりめえだ)、なんともいい感じな「ぷぅ~~~ん」という匂いが鼻を襲ってきた。それは隣に店を構えるパン屋から匂ってきていた。

このパン屋が構えている場所、駐車場に車が入ってきにくいのか、自分が記憶している中でも三度はオーナーを変えて別のパン屋が店を開いている。そんなに潰れたら、後の店も「そこに店入れるのはやめるべ」となりそうなものではあるが、ここは十数年ほどずーっとパン屋。中身は違うけどずーっとパン屋なのである。パンやらスイーツやら揚げ物やらの軽食たちの市場は、いまやコンビニと呼ばれる巨大勢力が我が物顔で歩く時代ではあり、それも苦戦の要因かもしれないが、それでもパン屋には妙な魅力がある。俺は、折角ここまで出てきたんだし寄っていくか…と自転車を置いて鍵をかけた。

 

そうして見ると、このパン屋の建物、また店名が変わっている。前入っていたパン屋は物腰柔らかそうなパン屋のおじさんのキャラクターが看板にあしらわれていて、店名もひらがなだったのだが、なんだかとてもトレビアーンな看板を構え(どんな看板だ)、外国語のオシャレな店名になっている。

入ってみるとやや狭めの店内には夫婦一組が客としてパンを品定めしていた。トングとバットを取って、こちらもパンを眺めてみた。どうでもいいが、俺はパン屋に来ると必ず塩パンを探す。ご存じですか?塩パン。塩を練りこんだ生地のロールパンで、空洞になっている中にはバターを塗り込んである。それをサクッと焼き上げたシロモノなのだが、シンプルな癖に美味い。結構前から流行りだしたと思うが、これの焼きたては最高に美味いのだ。コンビニでは見かけないイメージだが、作りにくいのだろうか。

この時も塩パンを探したのだが、生憎それに値するパンは見当たらない。まあいい。折角パン屋という名の桃源郷に迷い込んだのだ。一つのパンに固執することもあるまいよ。と思いながらシュガードーナツをバットに取った。

その後、昨日テレビで老夫婦がカレーパンを売っているのを見たのを思い出し、妙に食べたくなったカレーパンを取る。なんで普通のカレーパンって衣つけて揚げるんですかね?美味しくて非常に良いと思うんですけど、なんでそうなったのかと聞かれると、答えられない。

そんなことを考えながら、かぐわしい香りとして主張してきたガーリックバターパンを取る。ガリバタって最強ですよね。ガリバタチキンを考えた人にノーベル賞あげたいぐらいです。

桃源郷のもてなしに視覚と嗅覚で満足し、7、8個パンを購入していた先程の夫婦の後ろに並んだ。全て一つ130円ほど。なるほど、ものによってはやっぱりコンビニより安いかもな、とも思った。

 



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店を出て、秋の空気をいっぱいに吸った。中も外も空気が美味しい。

 

後は帰って味覚で美味しいを感じるか、と、当初の改装ショックも忘れて、自宅に向けて自転車を漕いだ。「俺、何でカバンにぶち込まれて来たんだ?」とメガネが不思議そうにしていたに違いない。