紅烏の独り言

えいえんのにわか丸出しボーイ

オタク、髪を切る

90分のハートフルコメディ映画が始まりそうなタイトルですが気にしないでください。

 

GW以来髪を切ってなかった。

帰省の折、行きつけの1000円カットのチェーンで切ってもらおうとしたところ、その店がGW休みに突入しており、まさかの初見のお安い理容店でいつもよりかなり短めにスポーツ刈りにされた話は別の機会にすることにするが(しません)、個人的寝ぐせ注意報ぐらいまでに髪が伸びてきたので、いよいよ散髪の決心がついたのだ。

 

「決心」なんて大層な言い方をしておりますが、ちょっとお待ちください皆さん。初見の理容店ってほんとに緊張しませんか?わしは叶うことなら行きたくない。

ただこのままだと笑い飯西田のように後ろで髪をキュッって結ぶようなヘアーになりかねないので(なるか?)、さっさと切りたかった。

 

先日、用意周到で石橋は叩いて渡るタイプでいわゆるチキンなあっしは、大学で知り合ったばかりの友人どもに「どこで髪切るべか」と聞き込んでみた。

ただ、やつらは生きてきた世界が根本的にあっしみたいなオタクと違うので、その辺にあるオシャレな美容室とかで髪を切ってやがる。ケチなオタクは散髪なぞに2500円も払ってられないので、結局お安そうな店を自分で探した。

 

そして今日、少し自転車で遠出し(言っても3km程度だが)買い物ついでに下調べした理容店へと恐る恐る飛び込んだ。

 

その店もチェーン店で、1カットだいたい1500円。このぐらいがファッションに疎いオタク学生にはちょうどよい。

 

入るとすぐ椅子に通されて、タオルや布を重ねがけされ、そして「どういう風に切りましょう?」と聞かれた。

 

出たよ「どういう風に切りましょう?」。

 

オタクは髪型に疎い。大学生の身分、もう髪型には周りの目とバイト先の規定以外の制約がないのだが、この瞬間が自分のこれからの1ヶ月半を決めると思うとかなり嫌な場面である。何と言えばいいのだ。脳内迷路を右手の法則で突破したオタクは「長めのスポーツ刈りで…」と注文。なんだ長めのスポーツ刈りって。

店員はそんなオタクに気を利かせ、そのメッセージを読み取ってくださった。そして「この辺まで刈り上げる感じで?」と聞いてきた。

 

わかんねえよ「この辺まで」って。

あう…と声にも出ないうちに続けて、「バリカン何ミリがいいですかね?」

 

わかんねえ…。

ここまでくると重症だが、この何ミリか考える時間コンマ数秒がとてつもなく長く感じた。脳細胞が考えることを拒否している。そして救いの手は差し伸べられる。

 

「長めなら8ミリか10ミリとかありますけど…」

 

8ミリ………!!

 

正直バリカンのミリ数とか全くわからないのだが、こちらの言ったことを噛み砕き、反映した上で数値を示した提案をされたので、完全にプロに任せる方向で行きました。オタクの悪い所が出ている。

 

そして、あとはされるがまま。

 

だらしなく伸びた髪はすっかりさっぱり綺麗に落とされ、さわやかな髪型となりました。こういうチェーン店は散髪中に会話する必要がないのがいいですね、初対面の人と会話するのは楽しくもあるのですが、同時に疲れるので、ボーッと考え事しながら切られてるほうが個人的には好きです。細かい注文とかもいらないし。

 

ただもみあげの処理は失敗だった。

 

カット中バリカンを耳の辺りに当てられながら、店員に何やら聞かれたのだが、バリカン+ぼーっとした頭のせいで完全に聞き逃し、「アノ…スミマセンモウイッカイ…」と聞いたら、「もみあげ、このままで大丈夫です?」とすごいハキハキと聞き取りやすいように言ってくれた。

オタクはアドリブに弱いので、「アッ、ハイ!」って言ってしまったが、後で考えると「ああ、じゃあ耳の下あたりまで剃ってもらう感じで」とこなれた調子で言ってやればよかったのである。結局「じゃあ自然な感じで切っときますね」と綺麗にもみあげは長さが揃えられた。多分明日の朝自分で剃る。

 

「シャンプーどうされますか」と聞かれたので「いや、大丈夫です」って返すと襟の部分を剃ることに。なんか文章繋がってない気がするが、ほんとにこうだったから仕方ない。 

 

それにしても初めてクリームをつけて剃られた。

 

髭はカミソリで自分で剃りますが、100均で売ってる髭剃り用カミソリで十分なのでシェービング?のあったかいクリームを首まわりに塗ったくられた時はちょっと緊張しましたね、ハイ。よほど毛の生え方が汚かったのだろうか、すごい念入りに剃られたような気がします。後で触ったらつるつるでした。すごい。

 

それにしてもいい店だった。清潔だし、店員の対応も普通で良かったし。スタンプカードも作ってしまった。スタンプが貯まったらシャンプー一回無料らしいし、体験してみてもいいかもなあ。

 

というわけで新生活散髪レポートでした。

 

次行く時は「ああ、じゃあ耳の下あたりまで剃ってもらう感じで」とこなれた風に言ってみようと思います。

 


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髪型。正岡子規アングル。